大学数学

論理記号.1 よく使う論理記号一覧、命題

論理記号とは~数学を記述する上での基本言語~

数学においてよく使う論理記号とその使い方について解説します。

解説の前に、なぜ論理記号を知っておく必要があるのかを簡単に説明しましょう。

端的に言えば、論理記号が数学で空気のように当たり前に使われているからです。

日本語や英語など、普段人間が使用する言語にはどうしても曖昧さが混じってしまいます。特に修飾語など、どこにかかっているかは文脈から読み取るしかないというケースが多いです。

厳密さを重んじる数学では、記述が曖昧になってしまうことをなるべく避けます。そのために、取り扱う対象や概念は論理記号を用いて定義されることが多いのです。

ですので、論理記号に慣れ親しんでおかないと、数学書の最初の数ページでつまずいてしまうことになりかねません。

ここで最低限よく使う論理記号については押さえておきましょう。とりあえずこれだけ押さえておけば、入門書を読むときには心配ないと思います。


Def.SetTop.1.1.1. (よく使う論理記号一覧)

\lnot 否定
\land かつ
\lor または
\Rightarrow ~ならば
\Leftrightarrow 同値記号(~ならば、またそのときに限り)
\forall すべての、任意の
\exists ~が存在する、少なくとも一つある
\exists ! ~がただ一つ存在する
:= もしくは \overset{\mathrm{def}}{=} ~と定義する(等式の場合)
\overset{\mathrm{def}}{\Leftrightarrow} ~と定義する(論理式の場合)

注:~ならばの記号 ⇒ と 同値の記号 ⇔ が \LaTeX で打つと、このブログでは表示上潰れてしまうようです。見た目的に何となく伝わると思いますので、とりあえずこれでやります。


順番に使い方を見ていきますが、その前に命題という言葉について説明しておきます。

命題

真か偽かを判定できる文のことを命題と言います。命題を文字で表す場合は A,B,C,P,Q,R などの大文字で表したり、あるいは小文字で表したりします。


Ex.SetTop.1.1.2.

「三角形の内角の和は 180^\circ である」は命題です。この命題は正しいので真となります。

a > 0 である任意の実数 a に対し、x^2 = a を満たす実数 b はただ一つ存在する」は命題です。この場合、b = \pm \sqrt{a} と二つ存在するため、この命題は偽となります。

「雪国には美人が多い」は命題ではありません。「雪国」と「美人」と「多い」の定義がはっきりしないため、真偽を判定できないからです。もしこれらの言葉を厳密に定義すれば、「雪国には美人が多い」は命題となります。


 

論理記号.2へ>

記事一覧(大学数学.1)に戻る

関連記事

  1. 大学数学

    数の構成.2 自然数.2 自然数の加法.1 和の定義と数学的帰納法

    前回からの約束事と帰結前回述べた通り、以下ではペアノシステムと…

  2. 大学数学

    大学数学概説.4 大学3、4年生レベルの科目(幾何)

    多様体現代幾何学の中心的な対象である多様体について学びます。…

  3. 大学数学

    大学数学概説.2 大学1、2年生レベルの科目

    微分積分学大学1、2年生で、数学科に限らず理系のかなりの割合の…

  4. 大学数学

    写像.10 積集合の普遍性

    積集合の普遍性積集合とは何かを集合と元を用いて具体的に記述する…

  5. 大学数学

    集合.23 ツォルンの補題

    ツォルンの補題代数学などにおいてよく用いられる選択公理と同値な…

  6. 大学数学

    写像.3 写像の合成

    写像の合成高校数学で合成関数というものをやったかと思いますが、…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

アーカイブ

  1. 大学数学

    集合.2 部分集合、べき集合
  2. 大学数学

    集合.9 積集合(一般の場合)
  3. 大学数学

    集合.13 同値類と集合の分割
  4. 大学数学

    集合.14 商集合
  5. 大学数学

    論理記号.2 否定、かつ、または、~ならば、同値記号
PAGE TOP
error: Content is protected !!