大学数学

集合.10 直和(非交和、無縁和)

直和(非交和、無縁和)


Def.SetTop.2.10.1.

I を集合、(A_i)_{ i \in I を集合族とする。
和集合 \bigcup_{i \in I } A_i に関し、任意の i,j \in I に対して A_i \cap A_j = \emptyset が成り立つとき、和集合は直和(非交和、無縁和)であるといい、\bigcup_{i \in I } A_i\amalg_{i \in I } A_i と表す。


和集合をなすそれぞれの集合が互いに交わらない(共通部分を持たない)とき、和集合を直和と呼ぶと言う約束をします。

しかしながら、一般には集合が交わる(共通部分を持つ)ケースも考えられます。このような場合にも直和を考えたいときがあり、テクニカルですが次のようにします。

例えば、集合 A,B を考えます。一般的には A \cap B = \emptyset とは限らないわけですが、A,B添字を付けたコピーを作ることで「ずらします」。

A のコピーとして A \times \{1 \}B のコピーとして B \times \{ 2 \} を考えると、  (A \times \{1 \}) \cap (B \times \{ 2 \}) = \emptyset となります。したがって、

 (A \times \{1 \}) \cup (B \times \{ 2 \}) \subset (A \cup B) \times \{ 1,2 \}

はDef.SetTop.2.10.1.の意味での直和となります。

このようにして、人為的に直和を作り出すことができます。

一般の集合族  (A_i)_{ i \in I に対しては、それぞれの A_ii を添字したコピーを作って「ずらします」。


Def.SetTop.2.10.2.

I を集合、(A_i)_{ i \in I を集合族とする。
(A_i)_{ i \in I の直和を

  \amalg_{i \in I } A_i  \overset{\mathrm{def}}{=} \{ (x,i) \mid \forall i \in I, x \in A_i \} \subset \bigcup_{i \in I } A_i \times I

と定義する。


集合 A_iA_i \times \{ i \} と同一視して考えると、任意の i,j について A_i \cap A_j = \emptyset が成り立つときは、Def.SetTop.2.10.1.の意味での直和と同一視して考えることができます。

 

集合.11へ>

<集合.9へ

記事一覧(大学数学.1)に戻る

関連記事

  1. 大学数学

    大学数学概説.1 大学数学科の一般的なカリキュラム

    大学数学概説大学レベル以上の数学について、そもそもどんなものか知ら…

  2. 大学数学

    写像.3 写像の合成

    写像の合成高校数学で合成関数というものをやったかと思いますが、…

  3. 大学数学

    写像.12 商集合の普遍性

    商集合の普遍性商集合を普遍性によって特徴付けます。…

  4. 大学数学

    写像.11 直和の普遍性

    直和の普遍性直和とは何かを集合と元を用いて具体的に記述すること…

  5. 大学数学

    写像.5 像と逆像に関する演算

    像と逆像に関する演算ここでは、像と逆像に関する演算についてまと…

  6. 大学数学

    集合.7 積集合(n個の場合)

    積集合( \(n \) 個の場合)例えば、\( x,y \in…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

アーカイブ

  1. 大学数学

    集合.23 ツォルンの補題
  2. 大学数学

    集合.13 同値類と集合の分割
  3. 大学数学

    論理記号.4 ~がただ一つ存在する、定義
  4. 大学数学

    大学数学概説.2 大学1、2年生レベルの科目
  5. 大学数学

    集合.17 集合の濃度.2 可算集合
PAGE TOP
error: Content is protected !!