大学数学

集合.3 補集合、差集合

補集合

集合 A全体集合 X の部分集合であるとします。集合 A属さない元すべての集合を考えることができます。

これを A補集合と言い、A^{c} と表します。

※上付き文字の c は英語のcomplementの略です。また、高校では補集合はよく \overline{A} で表したかと思いますが、大学では一般にこの記号は閉包という違う概念を表すのに用いられます。

注意:集合 A は全体集合 X の部分集合であるという仮定は本質的に重要です。補集合を考えるときには、何らかのより大きな集合(全体集合)がなければ定義することができないからです。より大きな集合が異なれば、当然ですが補集合も異なります。すぐ後に例で示します。

A^{c} を集合の記法で書くと、


Def.SetTop.2.3.1.

A \subset X とするとき、

A^{c} \overset{\mathrm{def}}{=} \{ x \in X \mid x \notin A \}


となります。


Ex.SetTop.2.3.2.

M = \{ 1,2,3,4,5 \},N = \{ 1,2,3,4,5,6,7 \}, A = \{ 1,2,3 \} とします。

M を全体集合として、A補集合を考えると、

A^{c} = \{ 4,5 \}

です。

一方で、N全体集合として、A補集合を考えると、

A^{c} = \{ 4,5,6,7 \}

となります。


差集合

X,Y を集合とします。X の元であって Y の元でない元の集合を XY差集合といい、X \verb|\| Y と表します。集合の記法で書くと、


Def.SetTop.2.3.3.

  X \verb|\| Y \overset{\mathrm{def}}{=}  \{ x \mid x \in X \land x \notin Y \}


となります。


Rem.1. X \verb|\| YX-Y と書く流儀もありますが、X-Y

X-Y = \{ x-y \mid x \in X,y \in Y \}

と紛らわしいので、ここでは X \verb|\| Y としておきます。



Rem.2. 補集合の場合と違って、YX部分集合である必要はありません。



Ex.SetTop.2.3.4.

X = \{ 1,2,3,4,5 \},Y= \{ 4,5,6,7,8 \} とすると、

  X \verb|\| Y= \{ 1,2,3 \}

となります。


 

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